『インビジブル』

今日も透明人間もの。
ポール・バーホーベン監督『インビジブル』を観る。

『インビジブル』(2000年/アメリカ/112min)


ちょっと前の作品かと思ってたらもう13年前なんやね。
過去の透明人間ものに比べると格段にCGやモーションキャプチャーが発達してるね。この2013年現在ではさらに進歩してるけど、筋肉、内蔵、神経、骨と消えてく表現は今観ても全然凄いと思う。とはいえ、前提として普通の人間が透明になり精神にも異常をきたすということだけど、腕力だったり身体能力が超人的になるのは違うんちゃうの?あんなに全身燃えたり、爆発の中にいたのに全然平気やし、血を全身浴びたら中々取れないと思うのに次の場面でキレイになってるし、無敵過ぎるな。
あと、主人公の女性はエレベーターの構造をあんな知ってるのもおかしいね。ってな具合でツッコミどころも多いけど、まぁ楽しめたかな。メイキング観たけど、ケビン・ベーコン本人が実際にモーションキャプチャーとかやってたんやね。

・『インビジブル』
・『インビジブル』Trailer

『透明人間』(2001年版)

今日も透明人間。
ジョシュア・バトラー監督『透明人間』(2001年版)を観る。

『透明人間』(2001年/アメリカ/80min)


酷いなコレ。何にもおもしろくないなぁ。雑過ぎて、観るのしんどいわ。
DVDスルーみたいやけど、これは海外ドラマ?(たまにアイキャッチが入る)。検索してもあんま情報がないけど。
微妙にコメディ要素を入れてきてるけど、何にもおもしろくないし、スベりまくってるね。しかもそれがサラッとぶっこんできて、今のボケやったん?って感じ。透明人間の原理や効果、能力の設定が穴だらけ(腕を繋がれてた人物が透明になったとたん、力がついて拘束具を引きちぎるし、服や手に持った銃ごと透明になるのに、車を透明にしたらボディーだけ消えそれ以外の部品や中の人は消えない)やし、登場人物に全く魅力がなくて、なんでそのキャラクター選び?って感じ。色々安っぽ過ぎて酷いなぁ。ネタにもならへんおもしろくなさやね。
途中から中国人が透明になる技術を盗もうと(コピーしようと)としてくるの風刺っぽく(北朝鮮の核施設的なギャグ?って装置だったり)ていいし、ある意味その胡散臭さは言い得て妙やけど。ちょっと観るのしんどかったぁ?。

・『透明人間』
・『透明人間』intro

『透明人間』(1992年版)

今日も透明人間もの。
ジョン・カーペンター監督『透明人間』(1992年版)を観る。

『透明人間』(1992年/アメリカ/99min)


これは、昔TVでやってるの観ておもしろかった憶えがあるね。
コメディ要素のある透明人間もの。透明人間になるきっかけってのが、パソコンのキーボードにコーヒーこぼしたらその建物中のコンピューターが壊れちゃって、どんなけ精密な(やわい)キーボードとシステムや?!と思いつつ、それが原因でビルやその周辺が透明化してしまい、たまたま逃げ遅れた主人公も透明人間になってしまう話。
透明人間っていうとやっぱエロいことやイタズラをしたくなるけど、そこは抑えめに透明人間は良い物じゃない的苦労(誰にも存在を気付いてもらえなかったり車に轢かれそうになったり系の)も描きつつ、果たしてどうやって戻るのか?というところだけど、なるほどそっちパターンね。
1992年って微妙な年で、最近な気もするけど結構前やね。メイキングが少し付いてたけどこの頃はCGの黎明期的な時で、今のVFXはかなり進歩してるけど、この当時のはこれはこれで味のある質感。そして、表現として、視聴者には主人公の姿が見える透明人間の体(てい)をとってる部分、逆にそこにいる体(てい)の演技、一人芝居だったりがコントっぽくていいね。

透明人間映画は、人物を映さずにその時代その時代の特撮技術を映し出す映画ですね。
あと、顔に包帯でチェックの襟のガウンスタイル『透明人間』(1933年)のオマージュをしてるね。1933年版観てたから気付いた。

・『透明人間』
・『透明人間』Trailer

『透明人間』(1933年版)

去年はタイムトラベルもの括りで映画観ましたが、透明人間しばりで観ましょうかね。H・G・ウェルズ原作、ジェームズ・ホエール監督『透明人間』(1933年版)を観る。

『透明人間』(1933年/アメリカ/70min)


80年前の作品か、凄いなぁ。
80年前でこの合成の技術あるんやね。結構力入れて作ってるな。当然今とは比べ物にならないチープな技術だけど、当時の画質(モノクロで鮮明でない)が逆に粗を隠しててピッタリ。当時のシリアスなドラマも誇張したコメディ(コント)要素が入ってたり、めちゃくちゃ説明ゼリフだったり時代を感じますね。今ではやらんようなストーリーや設定(穴やツッコミどころも多い)だけど、古典作品なのでここから今後のSFものがどう進化していくか、その後の透明人間ものとの差やオマージュを楽しめるんやろね。当時の人は、これ観てビックリしただろうし、さらに今の技術を当時の人に観せたらひっくり返るだろね。

・『透明人間』
・『透明人間』Trailer

『コクリコ坂から』

TVでやってた、宮崎吾朗監督『コクリコ坂から』を観る。

『コクリコ坂から』(2011年/日本/91min)


う〜〜ん、どやろ。え?そんだけの話?って感じやったね。大した話じゃないし、なんでコレわざわざ映画にしたんやろね?1時間で収まりそうな内容やったし。キャラクターデザインも全然魅力がないし主役の2人も脇役みたいな顔やね。モブキャラの表現も雑やし。わざとあんな古くさいキャラ表現にしたのかね?
あとは、食べ物の描写が多く、どや!ジブリ名物の食べ物表現美味そうでしょ!感。確かに美味そうやし、一つの魅力やけど。
その他、要所要所に曲が流れてミュージック・ビデオの様な作りやね。アルバム全曲メドレーPVみたいな感じで。ので、サラッとしてるのかな?特に残らんね。それこそ、料理美味そうってくらいやったね。
ただ、もしかしたらターゲット層が子供向けとかなのかな?だったら、まぁこれでもいいのかもね。

・『コクリコ坂から』
・『コクリコ坂から』予告篇

『デッド寿司』

井口昇監督『デッド寿司』を一足早く観せてもらう。

『デッド寿司』(2012年/日本/92min)


おもしろい!これは2013年度ベスト1決定ですね(ネタじゃなくてホントに!)
人食い寿司が襲ってくるパニックムービーですね。伝説の寿司職人を父に持つ、主人公ケイコ(武田梨奈さん。『ハイキック・ガール』『KG』よりも魅力が出てると思う)が厳しい寿司職人修業に耐えられず逃げ出してしまう。その後、田舎の温泉旅館で中居として働くことに。女将にいびられながらも、元寿司職人の澤田(松崎しげるさん。エエ声です)のやさしさにふれつつ働いてたある日、怪しい男が旅館に訪れ寿司に謎の薬品を注射することで、寿司が人食い寿司になって人々を襲い出す話。

井口西村組常連の人総出演で、それぞれにおいしい所が満載!個人的に昼ドラの旅館の中居もの・女将修業ものが好きなので、いつもの井口ワールドにそれがプラスされててたまりません!色んなパロディもあるし、井口監督自身の過去作品を思わすシーンもちょこちょこあった。それこそ寿司ネタ(寿司だけに)は『片腕マシンガール』から描かれてたし。これは国内外ウケるのが分かりますね。そこらのTVドラマやマンガ原作もの映画化的な国内向けのチンケな作品とは大違いですよ。日本人のアイデンティティもありつつ対海外へ向けて作られた作品ですね。
また、今回はそんなに人体が損壊したりはしないので、そっち系が苦手な人も全然楽しめますよ。コメディ要素も多いですし。PG-12だけど、ファミリーでもカップルでも全然いけますよ。
井口監督は毎回新作が最高傑作ですね。早い話だけど、早くソフト化されてコメンタリーやメイキングが観たい!
1/19〜全国ロードショーですよ!是非!

・『デッド寿司』公式サイト
・『デッド寿司』日本語版予告篇
・『デッド寿司』3D版予告篇
・『デッド寿司』Web版予告篇

・松崎しげる『寿司のメモリー』デッド寿司バージョン(作詞:井口昇)
・Fantasia2012 井口昇監督&武田梨奈インタビュー
・『デッド寿司』ワールド・プレミアム舞台挨拶

『ソラニン』

深夜にTVでやってた、三木孝浩監督『ソラニン』を観る。

チラシ探したら、2種類持ってたね。

『ソラニン』(2010年/日本/126min)


まず、僕は浅野いにおさんの原作は読んだことない。という前提での感想。
キレイ過ぎというか、出てる役者さんは個人的に悪い印象はないし、むしろ良いイメージの人らだけで出来てるけど、それだけな印象かな。群像系というか、若者のどこにでもある日常?カップルの数だけどこにでも転がってそうな(それを若者が共感するんやろうけど)、こんな大学生活を味わってこなかったなぁ。。。ってのもありつつ、こういう人らとは仲良くできひんやろけど。ま、出てる人が美男美女で爽やかでナチュラルなイメージなのでただただ羨ましいだけやけど。ほんとに何気ない話なので、浅野いにおさんの漫画は読んだことないけど”情熱大陸”で絵や背景の描き方なんかはイイ感じだし、あのタッチのマンガで何気ないドラマの様なことをマンガにしてるのが多分グッとくるんだろうし、その何気ないドラマのようなマンガを実写のドラマにしちゃうと、そのまんまというか普通になっちゃう感じなんかな?別にくさしたいわけではなく冷静に観て。雰囲気と役者さんの魅力のみの映画かな。ので、多分正しい楽しみ方は原作でグッときたファンが、実写で再現を観てニヤニヤする感じなんかな。ファンも多いだろうし、キレイなイメージで再現するのが、まぁええにゃろね。
宮崎あおいさんの歌声エエ感じやったし、相手のことを”キミ”って呼ぶのはエエな。

・『ソラニン』公式サイト
・『ソラニン』予告篇

『ジャッキー・チンポー』

藤原章監督最新作『ジャッキー・チンポー』
YouTubeで期間限定配信(1/4〜1/6)されてたので観る。

『ジャッキー・チンポー』(2012年/日本/99min)


中々ド肝を抜かれるね。インタレスティングやね。
ドキュメンタリーのような、メイキングのような、ロケハン仮撮影のような、本編のような、ファンタジーのような、藤原章監督は独特のセンスやね、悪く言うと親戚のおっさんの旅行の動画を観せられてるって感じやけど、良く言うとアーティスティックでかなり高度なことしてるというか。奇をたらったドヤ感はなく、本気でやってはるし。頭おかしいというか凄いセンスやな。この監督は、勝手なこと言うて申し訳ないけど生きてるうちはドカンと売れることはなさそうだね。亡くなって何年かしてから映像が発見されて、こんなヤバイことしてる人いてたんか、って評価されるタイプやと思うな。
とは言え、映画1周目はなんじゃこら?って感じやったけど2周目観たら(1周目でこのおっさん観続けてたから)すでに愛着というか麻痺というか、普通に観れるようになった。多分劇場でお金出してよし観るぞ!って観たら、ちょ、おま!ってなると思うけど、深夜に急に流れてきたら何か凄いの始まったぞ!って引き込まれると思うし、日曜の深夜あたりに何となく観るくらいの感じが観やすいかもしれない。

・『ジャッキー・チンポー』
・『ジャッキー・チンポー』予告篇

『ゲゲゲの女房』

深夜にTVでやってた鈴木卓爾監督『ゲゲゲの女房』を観る。

『ゲゲゲの女房』(2010年/日本/119min)


ま、噂には聞いてたけどTV版とはまた雰囲気がガラッと変わってしょぼくれた感じやね。嫌いな雰囲気ではないけど。かなり低予算で安っぽい感じだね。登場人物も少ないし、ロケ地も家と貸本屋と出版社とあと川や農道みたいな田舎の部分とミニマルな感じ。ちょとボロめの建物なんかで、あんま昭和感もなく(遠くで車やデカめのマンションとかおもっきり建ってたし。完全に映しちゃってるし、敢えてなんやろね。けど、TVでスペースシャトル打ち上げとかのニュースもやってたし、高い建物が建ってないこともないのか?貧乏生活との対比なのかな?)他のことしながら流し観してたってのもあるけど、あんまメリハリなく年月が経ったね。特に大きく跳ねることもなく淡々と終わってったね。そういう世界観なんやろけど。え?あっ、終わりか。って感じやったかな。たまに出て来る妖怪も微妙やったね。

・『ゲゲゲの女房』公式サイト
・『ゲゲゲの女房』予告篇

”去年観た映画BEST 10”

去年2012年観た映画は、171本(短編込み)でした。去年は200本行かなかったね。観たかった作品も結構取りこぼしてるし。
そんなわけで、去年観た映画BEST 10をまとめたみた。

第1位『ゾンビアス』(井口昇監督)
井口監督のセンスが大好きだ。
第2位『ドラゴン・タトゥーの女』(デビッド・フィンチャー監督)
ルーニー・マーラの魅力にやられた。
第3位『アイドル・イズ・デッド』(加藤行宏監督)
これでBiSファン(研究員まではいかないけど)になっちゃった。
第4位『この空の花 長岡花火物語』(大林宣彦監督)
大林監督独特の演出がおもしろいしワクワクするね。
第5位『桐島、部活やめるってよ』(吉田大八監督)
これは賛否別れてるけど、僕は好き。
第6位『生きているものはいないのか』(石井岳龍監督)ギリ一昨年のか。
ハマらん人には全くハマらないと思うけど、僕はなんか妙にハマった。
第7位『私が、生きる肌』(ペドロ・アルモドバル監督)
こういう変態系のはおもろいね。
第8位『哀しき獣』(ナ・ホンジン監督)
韓国映画は容赦しなくておもろいね。
第9位『ゴッド・ブレス・アメリカ』(ボブキャット・ゴールドスウェイト監督)これはどう言うて良いかわからんけど、何かグッときたね。
第10位『ロボット』(シャンカール監督)
これは、もう観たまんまやね。

かな。
わりとメジャーなもの(話題作)になっちゃったね。去年はあんま劇場で観れなかったしね。で、旧作だけどDVDで良かったのが、
『バタフライ・エフェクト』『もしも昨日が選べたら』
TVドラマだけど『でんぱコネクション』(←コレかなりお気に入り)。
あと『一万年後….。』も味わい深くて好き。


そんなわけで。
松崎しげるさんの直筆サイン入り年賀状が届いたーーー!!
井口昇監督待望の最新作『デッド寿司』(1/19〜全国順次ロードショー)の年賀状企画に応募したら、当選したーーー!!!嬉し過ぎる!!!これは正月か縁起がイイ!!


・『デッド寿司』公式サイト

・『デッド寿司』日本語版予告篇
・『デッド寿司』3D版予告篇
・『デッド寿司』Web版予告篇

松崎しげる『寿司のメモリー』デッド寿司バージョン(作詞:井口昇)
・Fantasia2012 井口昇監督&武田梨奈インタビュー
・『デッド寿司』ワールド・プレミアム舞台挨拶

『バタフライ・エフェクト3/最後の選択』

今日もタイムトラベルもの。おもしろかった『バタフライ・エフェクト』、酷かった『バタフライ・エフェクト2』。そして、今回セス・グロスマン監督『バタフライ・エフェクト3/最後の選択』を観る。

『バタフライ・エフェクト3/最後の選択』(2009年/アメリカ/90min)


2があんなんだったので、正直この3観るのしんどいなぁ〜と思って観たけど、おっ!悪ないやん。
話は、1、2同様過去にタイムスリップできる主人公(今回も同じ能力を持つ別の主人公) がタイムトラベラーということとは伏せ霊能者として警察に協力し、事件を未然防ぐようになってる。過去を変えちゃうと現代が変わっちゃうので、過去の事件発生時刻に行き自らは手を出さずに傍観し現代に戻ってきて知らせるという寸法。が、ある日、10年前に殺された彼女の姉がたずね的て犯人とされてた男が無実である事がわかりその男を助けてくれと依頼してきて、引き受けるも過去で手を出しちゃい現代の歯車が狂い出して修正に奮闘する話。
今回はトラウマ要素も復活しており、1,2は恋人を助けるべく動くが今回はサスペンス色も強く事件を解明する感じかな。一応はね。 そしてタイムトラベル能力を理解してくれる人も周りにいたりする。

(ちょっとネタバレありかも)
今回は映像もしっかりしてるし、ラストは想像出来なかったけど、 1,2からの学習でその能力が父親からの遺伝であることから、妹が出てきた時点でもしかして?感はあった(犯人やラストは読めなかったけど、能力的な部分で)けどね。とはいえ、この映画の構造上、エンドレスであらゆる結末でドラマの続きが作れちゃうし、今回のラストはこうだったけどもう1枚のせたら犯人も結末も変えることが出来るね。でも最後ああいう決断(お約束?)をしたしそこで終わりなんだろね。1につづき切ないな。

ってなわけで、2の時も書いたけど、この”バタフライ・エフェクト”作品自体だパラドックスであり、1が成功ルート。2が失敗ルート。3が成功ルートって感じかな?(ストーリーってことじゃなく作品として成功かどうか)
あと、今作のラスト(BBQの)が続編を匂わすような終わらし方やったね。構想はるか分からないけど、あの子がって続編も出来るはな。続編ズルズル作り続けるかどうかはまた別の話やけど。『バタフライエフェクト・イン・クライモリ』全く別モン(あやかり系?)みたいやもんね。

・『バタフライ・エフェクト3/最後の選択』
・『バタフライ・エフェクト3/最後の選択』Trailer

『バタフライ・エフェクト2』

今日もタイムトラベルもの。昨日の『バタフライ・エフェクト』がすこぶる良かったので、2を。これは続編ではなく主人公も監督も違う。ジョン・R・レオネッティ監督『バタフライ・エフェクト2』を観る。

『バタフライ・エフェクト2』(2006年/アメリカ/92min)


1が良い作品って往々にして2はコケるジンクスは昔からあるので、これは期待もせずハードルを下げて絶対アカンのやろ?と決め込んで観た。むしろ友好的に観ようと意識して。けど・・・アカンなこれ。
話は、主人公が彼女や友人4人でドライブに出かけるも、急な仕事で帰るはめに。その道すがら車がパンクしてしまい事故に巻き込まれ、主人公以外亡くなってしまう。そこから1年後、主人公が昔の写真を見返してると、過去(事故前に)タイムスリップしてしまい、過去を修正しようとするが過去を小さく変えることで未来が変わっちゃい、それを修正していく話。1同様”バタフライ・エフェクト”(”一匹の蝶が羽ばたいた結果、地球の裏側で竜巻が起きる”というカオス理論)ってこと。

んんん〜〜〜、何か安っぽいね。登場人物にも魅力やカリスマ感がないし、海外ドラマっぽい質感やね。オープニングのタイトルの出し方もダサいし、安いわ〜。1がヒット下から、この”過去の写真を見たらタイムスリップ出来る”パターンでいけばウケるやろ!ってノリで作った感満載。この作品はいきなり2から観る人はほとんどいない(2のクオリティ的にいきなりTVでやったりしなさそうやし)ので、2は1観てる前提で過去のトラウマとか関係なくすぐタイムトラベルしちゃう。1のメインの旨味部分だけを抽出して(もちろんその旨味を味わいたいけど)他の副菜だったり器に全然力入れてないし、変にエロ描写を足してる安っぽさ。そして最後はああいう締め方すりゃいいんでしょ?感。そんな要素を求めてるんちゃうのにね。
まぁ、バタフライ・エフェクト自体が過去を変えてストーリーが幾重にも変わるので、そういう意味では『バタフライ・エフェクト』は良いルートで、この2は失敗ルートなんかもね。

・『バタフライ・エフェクト2』
・『バタフライ・エフェクト2』Trailer

『バタフライ・エフェクト』

今日もタイムトラベルもの。
エリック・ブレスJ・マッキー・グラバー監督『バタフライ・エフェクト』を観る。

『バタフライ・エフェクト』(2004年/アメリカ/114min)


わ、良かった!ここ数日タイムトラベルものを色々観たけど、これイイね。パッケージのデザインがあんま観る気がおきなかったけど、観たらおもしろかった。
記憶を断片的に失う少年が、治療のために何年か日記をつけてたある日、それを読み返したら過去にタイムスリップ出来るようになり、過去の失敗を修正するも現代の運命が変わってしまい、なんども試行錯誤する話。過去での小さな修正が未来で大きな影響になってしまう”バタフライ・エフェクト”(”一匹の蝶が羽ばたいた結果、地球の裏側で竜巻が起きる”というカオス理論)。ちょっとダークめな『バック・トゥ・ザ・フューチャー』(←これはタイムマシンやけど)というか、個人的にタイムトラベルもんは『バック・トゥ・ザ・フューチャー』にしろ『時をかける少女』にしろ、過去や未来が変わちゃってそれを修正すべく何度も行ったり来たり奮闘する系が好きだわ。

そして、この映画は同じ登場人物も運命によって環境や容姿も性格もガラッと変わってそれが凄いリアルで、現実社会では実際過去に戻ることは出来ないけど、人の見え方なんかを考えさせられるね(芸能人を脚光を浴びてる時はキレイな容姿だけど、そこからはずれると急に老けこんだりするし)、色々運命についても考えちゃうね。
そしてラストは中々切ないね。で、今回DVDで観たけど特典で別エンディングが2つ付いてて結論から言うと本編のがやっぱいいね。そしてエンディングが3つある感じがタイムトラベルのパラレル世界と相俟っておもしろいわ。
この『バタフライ・エフェクト』は2と3があるみたい(1が良いと続編コケるパターンが往々にしてあるけど)だし、観たいは。

・『バタフライ・エフェクト』
・『バタフライ・エフェクト』Trailer

『ザ・ウォード/監禁病棟』

ジョン・カーペンター監督『ザ・ウォード/監禁病棟を観る。

『ザ・ウォード/監禁病棟』(2010年/アメリカ/89min)


う〜〜ん、どやろね。
主人公のクリスティンが覚えのない放火の罪で、精神病棟に入れられそこにはすでに別の患者が5人いて色々起こる話。
途中まで霊?妄想?何系?みたいな感じで観つつ最後に何をやってたのか分かるんだけど、何かスッキリしないというか。観終わった後、何をやってたのか踏まえて自分の中で各シーンを思い返すと理に適っててなるほどなと思うし、おもしろい構造(ダブル・ミーニング)だとは思うけど、初見ではその意図が上手く伝わりづらいかもしれないね。 後からジワジワくるかもしれないね。もうちょっと上手く観れそうな気もするけどなぁ。

・『ザ・ウォード/監禁病棟』公式facebook
・『ザ・ウォード/監禁病棟』trailer

『アフター・アワーズ 』

マーティン・スコセッシ監督『アフター・アワーズ 』を観る。

『アフター・アワーズ 』(1985年/アメリカ/97min)


ワープロ技師の男が仕事帰りに色んな目に合い、中々家に帰れない話。都会で起こるファンタジーというか日常だけど異世界のような話?おとぎ話のような、何かこんな話観たことあるな。バラバラなような話が微妙に繋がっていって、ラストは中々コミカルな感じやね。夜中(日曜の夜あたり)に観ると良いかもしれない。

・『アフター・アワーズ 』
・『アフター・アワーズ 』Trailer

『変態島』

ファブリス・ドゥ・ヴェルツ監督『変態島』を観る。『変態村』の監督だね。
”変態シリーズ”4部作(ファブリス・ドゥ・ヴェルツは最初の『変態村』だけで、残りの3作は内容もスタッフも関係ないけど、『変態村』のヒットでユーロ・ホラーを抱き合わせにしただけで、邦題も勝手に日本人がつけたもので『変態村』意外はもひとつやった)とは別にこんなん撮ってたんやね。

『変態島』(2008年/フランス・ベルギー・イギリス・オーストラリア合作/96min)


う〜〜ん、おもしろくない。
津波で子供を亡くした夫婦が、ミャンマーの現状を伝える慈善事業の記録ビデオに、その子供が映ってるとして現地に探しにいき・・・って話。
う〜〜ん、『変態村』のミニマルなストイックさはないし、北欧の物悲しいファンタジー感やヤバさ、コミカルさもない。ただのアジアン・ホラーだね。舞台がミャンマーの亜熱帯はジメジメした世界観に、昼間の明るい照明が全然恐くないし野暮ったいね。そして、”変態島”ってタイトルと中身は全然関係ない(原題は『Vinyan』。タイ語で”魂、成仏できない霊、幽霊”という意味。これなら内容通り)し、中々島に辿りつかへんのよね。そして島もデカいし実際は島の一部のジャングルな感じだし。
そして、島には泥だらけで顔にペイントした子供の集団がいるのだけど、(明るい照明も相俟って)全然狂気じみてないし、全然恐くない。監督の合図で演技させられてる感満載だし、中々襲ってこないし襲ってきても弱い。ただの泥だらけで無邪気な子供だし。
エマニュエル・ベアールの色調の薄い目や虚ろな表情は、こういう狂い系の役には向いてるね。ラストの上からのアングル(子供に囲まれての図)は良かった。
ま、この邦題や煽り方が悪い(こうなるのは往々にして予想してたし、ハナから信じてない)のであって、監督が悪いわけじゃないし、幸か不幸か今後もこの監督の作品には”変態”の冠が付けられるんやろね。

・『変態島』
・『変態島』Trailer