『悪人』

TVでやってた李相日監督『悪人』を観る。
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『悪人』(2010年/日本/139min)


タイトルのイメージから勝手にもっとバイオレンスで派手なものかと思ったら、意外と王道だったと言うか、ひねりを入れずそのまま直球な話なのね。マスコミや警察の描き方も、よくある過剰に煽り立てる感じでなく、そういう雑音は抑えめにあくまで当事者の日常を淡々と描いてて、犯罪者の特殊な心理ではなく、誰にでも起こりうる状況をキレいにまとめてるね。
昼ドラで親子2代か3代を描いた作品でよくあるのが、酒癖が悪くて酷い父親を母親が子(まだ小さい)を守るために殺めてしまって時代が流れて子が大きくなって、その父の悪い部分を知らないから母を殺人者扱いするパターンがあるけど、それに通ずる人間の心理?(もちろん殺人はいけないことで、そんなことはみんな分ってるのでそういうレベルの話ではなく)今日常で怒ってる殺人事件の中にもこういうケースはあるのかもしれないし、加害者や被害者双方の家族の対応、世間の反応もこれがリアルなのかもしれないね。
バスの運転手のおっさんの対応がカッチョよかった。
うん、キレいにバランスよくまとまってんちゃいますかね。
別モンやけど、青春H2シリーズの白石晃士監督の『超・悪人』も観たいよね。


・『悪人』
・『悪人』予告篇

投稿者:

jumpei

イラストレーター。