京都みなみ会館で今泉力哉監督(10代篇)・福島拓哉監督(20代篇)・吉田光希監督(30代篇)による、ロスト・ヴァージンをテーマにしたオムニバス『ヴァージン』を観る。
初日の今日は、『ゴージャス・プリンセス!』の福島拓哉監督と、
『ふかくこの性を愛すべし』主演の正木佐和さんの舞台挨拶があったので、
観に行ってきました。
『ヴァージン』
・『くちばっか』(2012年/日本/40min)今泉力哉監督
・『ゴージャス・プリンセス!』(2012年/日本/40min)福島拓哉監督
・『ふかくこの性を愛すべし』(2012年/日本/42min)吉田光希監督
こういうオムニバス物は、当たるパターンとスベるパターンとあるけど、このヴァージンはどれも”ちゃんと”三者三様に、エロいし、面白かったですね。
今泉監督『くちばっか』は、10代のロスト・ヴァージン。あの長回しで、役者さんの”えっ、○○〜”とか”あっ、○○〜”的な間のやり取り(気まずい空気感)は得意技ですね。それが10代の初めてする空気感(気まずい様な、滑稽な様なドキドキ感)に見事ハマってたね。誰でも経験あるドキドキ感がグッときたね。
福島監督『ゴージャス・プリンセス!』は、20代のロスト・ヴァージン。不思議なテンションで(吹っ切れてて)嫌いじゃない。ラストは清々しく感動すら覚えるね。良かった。
吉田監督『ふかくこの性を愛すべし』は、 30代のロスト・ヴァージン。これも独特な雰囲気。暗めのトーンで30代ならではの落ち着いた切なさと言うか。正木さんは笑ってるはもちろんの事、ちょっと困った顔、切なそうな顔もまた画になりますね。後半長い奇行のシーン(どういう感情なのか)があるけど、多分あれは観客に彼女の心理を委ねてる(笑っていいのか、共感した方が良いのか)というか、個人的にはポジティブな意味なんやろなぁ〜と思ったけど。
そんな感じで3作とも、女子のロスト・ヴァージンを描いているけども、それと同時にそこに立ち会う男子の話でもあるね。客観的に観て、3世代の色をそれぞれの監督が見事に表現してると思った。ちょっと思うのが、喪失する瞬間をもっと重点的に描いて欲しかった気も。どれも気付いたら入ってるかんじで、結合する描写をってことでなく、喪失の瞬間の心理的なとこをもっといって欲しかったなと思うけども。それ以外はエンターテイメントとしてちゃんとエロくて、ちゃんとおもしろかったし、どれも好きかな。観て損はないと思う。