前からフライヤーや予告編で気になってた映画『オーロラ』を観る。ストーリーは至って単純で、”踊ることを禁じられた国に生まれた、類稀な踊りの才能を持つオーロラ姫は、傾国を救うため異国の王子との婚約を迫られる。美しいオーロラに求婚するため、自国の舞踏団を率い、舞踏会に臨む隣国の王子達。しかし、彼女の愛したのは見合いのための肖像画を描いた名も財もない絵描きだった。やがて家臣の企みにかかり、国王の逆鱗に触れた絵描きはオーロラの目の前で処刑されることに…。”っていう、おとぎ話的な感じ。”パリ・オペラ座全面協力”の、なんちゃってじゃなく、本気だ!映画というよりは、バレエの舞台を観てる様な(観たことないけど)、踊り重視な感じで見応えがある。舞台的なノリなので、つじつまやリアリティを追求しようと思えば、ツッコむところはてんこ盛りあるが、そんなところは気にしなくていい。例えるなら落語で、扇子を使って蕎麦を食べるていの演技を観ても、誰も「いや、それ扇子やん!」とはツッコまないであろう的なことで、ファンタジーなのだ。話の中で、色んな国の王子が求婚のため自国の踊りを披露するのだが、ある”ジパンゴ”という国の王子が出て来た時は、「ん?日本チックなベタな、琴が鳴って日本舞踊的なのか?」と思いきや、全身白塗りの舞踏が出てきたので、「ああ!なるほどな〜。」と思った。この映画の色調と、バレエにあたるものを日本チックなものにあて変えると舞踏になるのか。これは、映画の世界観を壊さずに上手く処理してる。カンフー映画を観た人が、映画館を出る時にみんなブルース・リーやジャッキー・チェンになる的に、この映画は、映画館を出る時に、バレリーナになりますね。歩きながら手を広げたり、気持ち爪先立ちになったり。。。周りに人がいるので、いかんいかんと抑えますが。どちらかと言えば、悪い王の側近(勝山梶のムーディー勝山に似てた)的な、風貌なので。ただ、ボクも絵を描いたりするので、名も財もない絵描きにもこんな好い事あるんだなと思ったり。。。
『オーロラ』公式サイト。
http://www.aurore.jp/