五重塔が見える映画館・みなみ会館で『神の左手 悪魔の右手』を観る。もちろん楳図かずお原作の名作漫画の実写化だ。ホント待ちに待った!原作コミックは5話から構成されてるが、その中でボクも一番衝撃的だった「黒い絵本」を中心に実写かされてます。ちゅーか、幽霊とかそういう恐さではなくて(いや、幽霊とかの恐さかもしれないが)人間の狂気っぷりというか、以前原作を読んだ時に「子供に、よ〜そんな絵本見せるなぁ〜。。。」という恐ろしさを感じてて、映画化の話を聞いたときに”恐ぇぇぇ〜〜〜っっっ!”と思ったのを憶えている。もちろんフィクションなんだけど、実際に子役の子(重複?)に見せてるわけで、あの子のトラウマにならなければいいけど。。。あの父親役をブロンソンズの田口トモロヲさんが見事に演じてます。優しい表情と目ん玉ひんむいて眉間にしわをよせた感じは楳図マンガになってます。ハサミの音も恐い!!正直な感想を言うと全部で5話あるストーリーの1話だけで完結させてるわけで、ボクは原作を読んでるから知ってるものの主人公ソウのキャラクター設定や説明、それから生じる説得力がどうかなという感じだが、監督としては、楳図ファンが観にくるだろうから原作を読んでて当り前でしょ的な感じなのだろうか?それとも、5話中の1話を95分にしたら、やっぱそうなるのかな?しかし、楳図かずおさんのインタビューによると、あえて観終った後に様々な謎が残り、観た人が様々な想像をめぐらせることが出来るようになっていると言ってらっしゃるし、説明のなさというのは意図的なのだろう。ま、観終った後の「どういうことやったんやろ?」となるのも、マイナス的な”意味が分からん!”ではなくてプラス的に”あぁかな?こぉかな?”と色々想像出来るもんね。楳図かずおさん自身もカメオ出演っていうかモロ出演されてて、映画内で唯一微笑ましかったです。(セリフ的には、深いことを言ってらっしゃりましたが。)もう一回観たいかな。
『神の左手 悪魔の右手』