『アフター・アワーズ 』

マーティン・スコセッシ監督『アフター・アワーズ 』を観る。

『アフター・アワーズ 』(1985年/アメリカ/97min)


ワープロ技師の男が仕事帰りに色んな目に合い、中々家に帰れない話。都会で起こるファンタジーというか日常だけど異世界のような話?おとぎ話のような、何かこんな話観たことあるな。バラバラなような話が微妙に繋がっていって、ラストは中々コミカルな感じやね。夜中(日曜の夜あたり)に観ると良いかもしれない。

・『アフター・アワーズ 』
・『アフター・アワーズ 』Trailer

『変態島』

ファブリス・ドゥ・ヴェルツ監督『変態島』を観る。『変態村』の監督だね。
”変態シリーズ”4部作(ファブリス・ドゥ・ヴェルツは最初の『変態村』だけで、残りの3作は内容もスタッフも関係ないけど、『変態村』のヒットでユーロ・ホラーを抱き合わせにしただけで、邦題も勝手に日本人がつけたもので『変態村』意外はもひとつやった)とは別にこんなん撮ってたんやね。

『変態島』(2008年/フランス・ベルギー・イギリス・オーストラリア合作/96min)


う〜〜ん、おもしろくない。
津波で子供を亡くした夫婦が、ミャンマーの現状を伝える慈善事業の記録ビデオに、その子供が映ってるとして現地に探しにいき・・・って話。
う〜〜ん、『変態村』のミニマルなストイックさはないし、北欧の物悲しいファンタジー感やヤバさ、コミカルさもない。ただのアジアン・ホラーだね。舞台がミャンマーの亜熱帯はジメジメした世界観に、昼間の明るい照明が全然恐くないし野暮ったいね。そして、”変態島”ってタイトルと中身は全然関係ない(原題は『Vinyan』。タイ語で”魂、成仏できない霊、幽霊”という意味。これなら内容通り)し、中々島に辿りつかへんのよね。そして島もデカいし実際は島の一部のジャングルな感じだし。
そして、島には泥だらけで顔にペイントした子供の集団がいるのだけど、(明るい照明も相俟って)全然狂気じみてないし、全然恐くない。監督の合図で演技させられてる感満載だし、中々襲ってこないし襲ってきても弱い。ただの泥だらけで無邪気な子供だし。
エマニュエル・ベアールの色調の薄い目や虚ろな表情は、こういう狂い系の役には向いてるね。ラストの上からのアングル(子供に囲まれての図)は良かった。
ま、この邦題や煽り方が悪い(こうなるのは往々にして予想してたし、ハナから信じてない)のであって、監督が悪いわけじゃないし、幸か不幸か今後もこの監督の作品には”変態”の冠が付けられるんやろね。

・『変態島』
・『変態島』Trailer

『月に囚われた男』

ダンカン・ジョーンズ監督『月に囚われた男』を観る。
監督はデヴィッド・ボウイの息子なんやね。

『月に囚われた男』(2009年/イギリス/97min)


おっ、良かった。
月にあるエネルギー資源”ヘリウム3”を採掘するために、たった一人で3年間 月で単身赴任してる男の話。ってくらいの軽い情報で観たけど、あっ、そっち系か。中々ドキドキワクワクできた。『2001年宇宙の旅』の雰囲気もありつつ、ある種シチュエーションコントというか、色々考えさせられる内容やね。
(ちょっとネタバレぎみ注意)
自分に瓜二つの男が出てくるんだけど、どっちも主役(それぞれの視点)に描いてるのもいいし、思いで話するシーンが良かった。もっとも話が合うし共感が半端ないやろね。楽しいやろなぁ。また、後半は月の寂しさも相俟って中々切ないね。うん、おもしろかった。

・『月に囚われた男』
・『月に囚われた男』Trailer

『ミネハハ 秘密の森の少女たち』

ジョン・アーヴィン監督『ミネハハ 秘密の森の少女たち』を観る。
『エコール』のリメイクというか同じ原作の作品。

『ミネハハ 秘密の森の少女たち』(2005年/イタリア・イギリス・チェコ合作/102min)


『エコール』が名作なだけに、こういう作品は絶対良くないパターンが往々にしてあるので絶対期待しないように、冷静に言い聞かせつつ観たけど、予想通り良くないね。『エコール』よりも少女の年齢が上がってて、それはそれで全然良いけど、『エコール』(原題は『イノセント』)に比べ無垢感がもうないというか普通のドラマになってるね。役者が演じてる感が出ちゃってるし、出てる少女がそんなに可愛くない(脇役の娘は何人か可愛いかったし、物語上主人公はそんなに可愛くない方が良いのかもしれんけど)昔の絵画に出てきそうな雰囲気と言えばそうなんやけど、何か惹かれるモンがないね。もちろんバレー出来る人からキャスティングしてるんやろけど。
あとは『エコール』は見た目のドラマとは別に思春期の少女の内面世界的なものを描いてて(劇中でその説明はないけど)、そこに気付いた時にゾクッとくるんやけど、この『ミネハハ』はサスペンス色が強くなり観たまんまの独裁的な全寮制女子校のドラマ(なのに、主人公の年代と小学生くらいの年代、あとちょっと赤ちゃんしか出てなくて、変な学校やな)になってて、そういうこっちゃないだろ!って感じやったね。『ブラック・スワン』だったり普通のバレーモン(もちろん学校の目的は別にあるけど)になってるね。AKBっぽいのか?とか思ったりしつつ。求めてるのは、そこちゃうのにね!
あとは、外の世界も描き過ぎでミステリアス感(現実かファンタジーか分からない感じ)も無くなってたし、説明的過ぎやね。急に俗っぽくなってて残念。とは言え共通の原作を読んでなので、原作自体がどうなってるのか、『エコール』のオリジナル性は分からないけど『エコール』が好きなのだ。
顔に包帯グルグル巻きの娘がおったけど、全く触れずやし。冒頭のトウシューズが血に染まる画や雰囲気は良かったににね。ま、予想通りやね。

・『ミネハハ 秘密の森の少女たち』
・『ミネハハ 秘密の森の少女たち』Clip

『バロン』

テリー・ギリアム監督『バロン』を観る。

『バロン』(1989年/アメリカ/125min)


ミュンヒハウゼン男爵(ほら吹き男爵の冒険)の話。観ながら気付いたけど、これ昔観たことあったわ。『落下の王国』『パンズ・ラビリンス』にも通ずるもんがあるかも。1989年当時の合成技術やファンタジーの表現、衣装も良かったなぁ。デザインだけじゃなく衣装の”汚し”や生地の”ボロボロ感”も今の映画だとキレイな”汚し”になっちゃうけど、この当時のは土埃で汚れてたりリアルにアンティーク感(博物館で観るような)がイイよね。衣装だけじゃなく小道具から建物の風合いもイイね。今の映画ではこれはもう出来ないね。同じテリー・ギリアムでも『Dr.パルナサスの鏡』的なキレイな質感(これはこれで良い)になっちゃうだろし。
良いファンタジーの質感だね。これはずっと観ときたい感じがあるは。おもしろかった。

・『バロン』
・『バロン』Trailer

『もしも昨日が選べたら』

今日もタイムトラベルもの。
フランク・コラチ監督『もしも昨日が選べたら』を観る。

『もしも昨日が選べたら』(2006年/アメリカ/100min)


あら!意外と良かった!
時間を自由に操れるリモコンを手に入れた男が、 めんどくさい事をどんどん早送りして飛ばしていったら大切なものを失っていき・・って話。ドラえもんでも”現実ビデオ化機”って道具があったよね。
最初は軽いノリのコメディだし、ナメてたら意外と良かった。”笑ゥせぇるすまん”や”世にも奇妙な物語”的な、ファンタジー・コメディかな。何か人生を考えちゃうというか、深いテーマだね。
『恋はデジャ・ブ』に通ずる観後感だね。”杜子春”とか教訓系の話を聞いた後の様な感覚というか。このタイトルやパッケージのビジュアルで敬遠しがちだけど、何気に名作かもしれん。
主人公のノリも良かったし、奥さんもキレイやった。娘がカワイイは。この子は成長したら(映画の中での話でなく、この子役の子が) 美人になると思うは。Tatum Mccannか、注目やね。
あと、老化の特殊メイクが、普通に上手い事やってるなぁと思った。ファミリー向けというか、多分男子(僕は独身だけど、家族いる父親で仕事を優先して家族との時間を後回しぎみの人とか)はガツンとハマるんと思う。これは家族を疎かにしてる人は観た方が良いし、観せたいわ。(家族やパートナーと観て何か言われるより、一人で観てシミジミ考えちゃう観方がイイかもね)

・『もしも昨日が選べたら』
・『もしも昨日が選べたら』Trailer

『プライマー』

今日もタイムトラベルもの。
シェーン・カルース監督『プライマー』を観る。

『プライマー』(2004年/アメリカ/77min)


2人のエンジニアが重力を減らす実験を繰り返してたところ、偶然タイムマシンを作り出してしまう。株で儲けたり良い思いもしつつ、別次元の自分(ダブル分身)に遭遇しないよう注意しつつも、2人の関係やダブルの存在で段々歪みが出て・・・。って話。

う〜〜〜〜ん、分かりにくいね。1回目。やろうとしてることを単純化して考えると何となくストーリーは分かるし、難解というよりは表現が分かりづらいって感じかな。エンターテイメント系のタイムマシンものと違って結構ストイックな作り方というか。分かりづらいのはタイムマシンの理論ではなく、どれが今の自分で、どれがダブルで?そしてナレーション(自分語り)の声がどっちの声なのか?注意して観ないと難しいかもしれない。

で、観終わったあとにネットで色々解説を読んだりして、2回目今度は日本語吹替えで観たら結構分かったかも。別に難解にしようとしてないし、ちゃんと必要な画はあるし。後半部分的にヤバかったけど、多分こういうことなんやろなと自分の中で納得したというか、おもしろいことやってるな〜。3、4回観たらもっと分かるのかもしれんね。

・『プライマー』
・『プライマー』Trailer

『タイムマイン』

今日もタイムトラベルもの。
ジョナサン・フレイクス監督『タイムマイン』を観る。

『タイムマイン』(2002年/アメリカ/93min)


これはタイムトラベルというよりは、時間を止める系ですね。厳密には時間を止めるというよりは、自分が通常よりも25倍の早さで動けちゃう加速装置みたいな感じですね。なので、周りが止まって見える(逆に周りからは姿が消える。透明人間要素も少しあるね)。高校生の主人公が科学者の父親が作った”時間を止める”時計を偶然発見し、良い思いをするもその腕時計を狙う組織から追われちゃうって話。
簡単に言うと、SODで昔からある時間よ止まれ系AVな感じというか、人類の夢の一つでもありますね。まぁ、普通におもしろかったけど、その時間止まってる状態が”ハイパータイム”ってネーミングだったり、設定やアイテムやファッションなんかがちょっと対象年齢が10代向けやったかもしれないね。ゲームやマンガっぽい空気感が。でもテンポもよくサクッと観れた。コメディ部分(止まってる時のイタズラとか)も悪くなかった。
2002年の作品なので、登場するApple製品(2000年頃のキャンディーカラーのiMaciBookとか)が時代を感じるね。クラシックやビンテージにもなってない、まだ微妙な古さというか。まぁ、当時はハイテク感があったけどね。

・『タイムマイン』
・『タイムマイン』Trailer

『タイム・マシン 80万年後の世界へ』(1960年版)

今日もタイムトラベルもの。先日2002年のリメイク版を観ましたが、1960年版ジョージ・パル監督『タイム・マシン 80万年後の世界へ』を観る。

『タイム・マシン 80万年後の世界へ』(1960年/アメリカ/103min)


H・G・ウェルズ原作のSF小説「タイム・マシン」の映画化ですね。
なるほど。2002年版を観てから観たので、脚本の違いやデザイン・撮影技術の進歩が分かっておもしろいですね。2002年版は結構オマージュしてるなということも分かったし、ここ数日色んなタイムトラベルものを観たけど、これの影響やオマージュをしているのも多いね。結構な率で共通してるのが天井がガラス張りの音質が出て来るし、植物の成長の早送りが時間経過を見せるのに調度良いというか、この映画が古典になってるね。『タイム・アフター・タイム』は太陽光をエネルギーにしてたってのもあるし、世界を見せつつある程度マシンを守らないといけないってもあるしね。『サウンド・オブ・サンダー』でも研究所じゃないけど温室出てきたし。

で、1960年版の今作も今観ると特撮表現も斬新で、地底の世界観(セット感)やそこに住むモーロックのデザインや特殊メイクもイイね。広い地底空間を作ってその1フロアで色々撮ってるのがドリフのセット(舞台)を観てるみたいな感じだし。また撮影当時の1960年近辺での未来表現も当然2012年の今とは違うし、その時代(世界観・特撮技術)を感じれるという意味でも今作に限らずタイムトラベル映画自体がタイムマシン的要素があってイイよね。

・『タイム・マシン 80万年後の世界へ』
・『タイム・マシン 80万年後の世界へ』Trailer

『ジャケット』

今日もタイムトラベルもの。
ジョン・メイブリー監督『ジャケット』を観る。

『ジャケット』(2005年/アメリカ/103min)


1992年湾岸戦争で負傷した軍人の男が後遺症で記憶に障害が。その後殺人事件に巻き込まれ犯人扱いされ精神病院に入れられ、拘束衣=ジャケットを着せられ矯正治療と称し死体安置用の引き出しに押し込まれる。そこから彼は2007年にタイムスリップし、その引き出しに入れられた4日後に自分が死ぬ事を知り・・・。って話。
何で未来にいけるのか?や、ある電気ショック療法とか、ホンマかいな?って部分もあったけどシンプルで普通に楽しめたかな。エイドリアン・ブロディは、こういう物悲しそうな窶れたキャラが似合うね。
結構重い(拘束されたり)いんかな〜?と思ったら結構サクッと観れたね。観終わった後味も良いね。

・『ジャケット』
・『ジャケット』Trailer

『精華映像最前線〜映像愛で東寺大炎上〜』

京都みなみ会館で、京都精華大学の在学生・卒業生たちが手がけた短編映像の特集上映『精華映像最前線〜映像愛で東寺大炎上〜』があったので観に行く。

”精華映像最前線〜映像愛で東寺大炎上〜”

・『mouhitori』2011年/4:50/金子智明(デジタルクリエイションコース卒業生)
・『トリップ・トラップ・マップ』2010年/5:12/白井孝奈(アニメーション学科卒業生)
・『parallel』2012年/2:10/奈須翔太(映像コース学生)
・『タップくん』2011年/2:42/山本征宏(アニメーション学科卒業生)
・『rain town』2010年/9:53/石田裕康(アニメーション学科卒業生)
・『うじうじくん』2012年/1:20/海上梓(映像コース卒業生)
・『sunlight』2011年/4:00/小黒草平(映像コース卒業生)
・『UNLIMITED FIREWORKS』2011年/4:58/山本晃大(映像コース卒業生)
・『(after 20 days)20 years old』2011年/5:21/篠永達(映像コース学生)
・『しあわせ』2011年/8:30/嘉手苅唯(アニメーション学科卒業生)
・『contrast』2012年/2:52/田中美菜子(映像コース卒業生)
・『今、あなたは』2011年/0:30/泉香織(アニメーション学科学生)
・『プロが居る商店街』2011年/5:19/谷澤昇希(映像コース学生)
・『くり子とねこ』2010年/3:08/石井健太(アニメーション学科卒業生)


う、う〜〜〜〜ん、、、。ね。全然大炎上してないね。
あんま無茶してる人がいなかったというか、小ぢんまりしてた印象だね。もちろんクオリティ高いのもあったけど、未完成?パイロット版でこれを元にもっと練って本編撮るの?的なのも多いし、手描きアニメもいつの時代のアニメだ?っていうクラシックな表現(サイレントアニメ的な)というかクラスの2、3人が毎年やるんやろな的な手描きアニメーション1作目って感じで新しさや、最前線感が感じられなかったかも。嫌な意味での授業作品感というか、(ゼミの先生のジャッジも入ってるやろし)ここに出て来る作品は学科内でも優等生的な人らなのかね?もっととんがってる人らは選出されないのかな?授業じゃなくもとおもしろいモン作ってる人はいると思うんやけど。とはいえ、卒業生の作品が多いし、リアルに今の精華の学生映画!って感じではなさそうだね。4回生はこの時期無理だろうし、今回1回生の人もいてたけどこんな層が薄いのか?と思ったり。劇場抑える予算は学校から出てるんやろいけど、ゼミ作品括りだけじゃなくもっと広く選んだ方がいいんちゃうかな?
全作品上映後にイベント自体のエンドロールが流れた時に東寺の五重塔が燃えてる画があったけど、大人しい燃え方(五重塔のシルエットの内側に火が燃えてる画)やったし、ボーボー燃やして大炎上ぐらいにして欲しいかったけど。この特集上映を表してるなと思った。
まぁ、今後も第2回とかシリーズ化したいみたいなことも言ってはったので、徐々に固まってくのかな。次に期待ですね!

あと気になったのが、上映前ロビーで学生が話してるのが耳に入ってきたけど、みなみ会館来るの初めてって言ってた(登壇してた学生の中にもいてた)し、今日来てた結構な人数がみなみ会館(単館系の映画館)に普段から来てない(これは普段から思う事で、若い人が全然観に来てない)し、映像系のことをやってるんだら尚の事行くべきなのにね。ちゅーか、映画館で映画観るっちゅう概念がハナからないんやろね。で、こういう人は学生時代それなりに作品作って卒業後は普通に就職って感じなにゃろね。映像愛で大炎上して!って思ったかな。

・『精華映像最前線〜映像愛で東寺大炎上〜』公式サイト
・『精華映像最前線〜映像愛で東寺大炎上〜』予告篇

『サウンド・オブ・サンダー』

今日もタイムトラベルもの。
ピーター・ハイアムズ監督『サウンド・オブ・サンダー』を観る。

『サウンド・オブ・サンダー』(2005年/アメリカ/102min)


西暦2055年にタイムトラベルが成功。白亜紀の恐竜を狩るという富裕層向けのサービスを行う旅行代理店ができ(とは言え、過去を変えてはいけないので、旅行のコースとしては毎回同じ時代の時間の同じ場所で数分間、当時そこで死ぬ予定だった同じ恐竜を毎回狩るだけのサービス。決められたラインからは出られない程度のもの)。そこから旅行客の一人が1.3グラムの何かを勝手に持ち帰ってしまい、その小さな出来事が現代では人類滅亡の危機なるほどの影響が起き、、、って話。
う〜んどうだろ。現代で過去の影響がPCのアップロードのように”タイムウェーブ”という波が何段階か押し寄せてきて過去の影響が更新されるアイデアは、おもしろいやんって部分と、それはおかしいんちゃうか?って部分とあったかな。CGの表現もなんかムラがあるというか、めちゃくちゃチープ(ゲームのような?教習場のシミュレーターのようなレベル?)な感じやったけど、調べたら何か撮影中にプロダクションが倒産して、チェコでの撮影は水害で延期になったり、そんな中完成にこぎ着けたそうだ。それを聞くとやさしい気持ちで観れるかもね。

・『サウンド・オブ・サンダー』
・『サウンド・オブ・サンダー』Trailer

『タイム・アフター・タイム』

今日もタイムトラベルもの。
ニコラス・メイヤー監督『タイム・アフター・タイム』を観る。

『タイム・アフター・タイム』(1979年/アメリカ/112min)


おもしろかった。
H・G ウェルズがSF小説『タイム・マシン』を発表する以前に本物のタイムマシンを発明していて、それにのって猟奇連続殺人犯”切り裂きジャック”が?1979年のサンフランシスコに逃亡してしまい、それを追いかけてH・G ウェルズも1979年に来てそこで現代の女性(1979年)の女性と恋に落ち、、、という話。
このヒロインのエミー(実際のウェルズの奥さんの名前なんやって)を演じる、メアリー・スティーンバージェン『バック・トゥ・ザ・フューチャー PART3』でドクと結婚する人やんか。タイムスリップづいてるね。
未来の世界(ウェルズからした)は公開された1979年当時で、街並や文化的にも当時最先端のものだったんだろうけど、2012年に観るとそれは33年前のもので古いという、新しいけど古いという新たな楽しみ方が出来るね。当時(1979年)のマクドなんかも出て来るし、1979年は博物館のセキュリティーが甘かったり、銀行で顧客情報を普通に話したり当時だから撮れる話だね。今だと携帯やネットが絡んで来るだろうし。SF表現も七色に光ったり今だと逆にカッチョイイね。タイムマシンは何かアール・ヌーヴォー調のデザインだったね。
ラストも潔いというか、スパッと終わるし時代を感じるね。細かく丁寧に伏線が貼られてるしセオリー通りに回収してくれて(最後の時計だけ特に触れてなかったけど、もしかしたら何か意味があるのかな?)、中々ハラハラした。ウェルズのキャラもイイ感じやね。

・『タイム・アフター・タイム』
・『タイム・アフター・タイム』Trailer

『タイムマシン』(2002年版)

先日『恋はデジャ・ブ』を観てから、タイムトラベルものを欲してるので色々観てみましょうかね。サイモン・ウェルズ監督『タイムマシン』を観る。

『タイムマシン』(2002年/アメリカ/96min)


H・G・ウェルズのSF小説が原作(この監督はH・G・ウェルズの曾孫)で、1960年に1回映画化されてて今作はリメイクというか2回目の映画化って感じかな。ちなみに原作を読んでないので全く新しい気持ちで観ると、前半イイ感じだったのに後半えらい牧歌的でもっちゃりしてるね。80万年の時空の流れの表現(CG)がイイ感じだったけど、何かそこだけで、”タイムマシン”の旨味がちょっとしか出てないというか。とは言え後半のストーリーは原作通りみたいだし、ストーリーがどうこうってのは言いにくいけど。80万年後の地底の種族があんなけ筋肉質なのに重みがないというか(あんなけ筋肉のかたまりだったら主人公が体当たりしたぐらいじゃ吹っ飛ばんやろし)、なんか微妙なデザインだね。前半の彼女との世界観でもっと観たいけど、原作ありきだかなぁ。それに80万年後の地底の種族が同じ言葉そすらすら話せたり、全然生活感がなかったり、なんか薄っぺらいし地球に対して人数(他の地域にもいるのかもしれんけど)少ないし、その種族とのクライマックスもどやねんって感じかな。80万年もあれば主人公以外の人間がタイムマシン作ることあろうにね。
公開当時予告篇がおもしろそうだったのに、その後の世間の反応全然なかったのが分かる感じかな。でも、この2002年版『タイムマシン』を観たあとに1960年版『タイムマシン』の予告を観ると、結構再現してるし技術が滅茶苦茶上がってるし、比べるとおもしろいね。1960年版も今度も観よっと。

・『タイムマシン』
・『タイムマシン』Trailer
・1960年版『タムマシン』Trailer

『戦争より愛のカンケイ』

ミシェル・ルクレルク監督『戦争より愛のカンケイ』を観る。

『戦争より愛のカンケイ』(2010年/フランス/104min)


フランスでは平凡な名前の男アルチュールと、自分の身体を武器に右派やファシストと寝て、左派に転向させちゃう女のバイア(同姓同名が一人もいない珍しい名前)のラブコメディ。+社会派な話。
途中、ユダヤ人や人種的なニュアンスが難解というわけではなく意味は分かるけど、ちょっと状況が共感しにくくもあったけど、後半は結構良かったかな。ヒロインのバイアが天然過ぎる(右派の人とは誰とでも寝たり、2つのことが同時に出来なくて、電話しながら全裸で出かけちゃったり)というか周りの男を振り回すけど、後半ちょっと掴まれるね。回想シーンとそれが今の自分と絡んでくる演出も良かったし、昔のフランス映画のような世界観、コメディ感で好きな雰囲気やったかな。

・『戦争より愛のカンケイ』
・『戦争より愛のカンケイ』Trailer

『ピンク・スバル』

小川和也監督『ピンク・スバル』を観る。イスラエル(パレスチナの境界線沿い)の話なんだけど、観終わった後に監督が日本人だったのを知る。

『ピンク・スバル』(2009年/日本・イタリア/98min)


主人公の男が20年かけてやっと貯めたお金でSUBARUのレガシーを買うのだけど、一晩で盗まれてしまう話。4日後に妹の結婚式を控え、それまでに見つかるのか?という話。イスラエルの盗難車ビジネスの現状を絡めた話だけど、
う、う〜〜ん。。。おもしろいかおもしろくないかで言うと、ん〜〜〜特に面白くなかったね。思ってるのと違ったというか。もっとおもしろくなりそうなうなのにね。映画始まって10分ちょいで盗まれるんだけど、その後がなんかぬるいというか、探してるのか探してないのかダラダラした感じやね。風土というか国民性というか。まぁ、監督日本人なんやけど。
ちょっとファンタジーな部分もあって、『ベアーズ・キス』だったり動物なんかが擬人化する系ファンタジーを車でやった感じもあるのかな。
日本人が出てきたり日本食や日本語曲も使われてて、どういう人(スタッフ)が作ってるんやろ?と思いながら見てて、後から日本人監督だった、ああそういうことねって感じやったけど。思ったほど跳ねんかったね。家族の話もラストはあっさりやったし。4日間の話やのに、主人公の髪伸びるの早い気もしたかな。

・『ピンク・スバル』公式サイト
・『ピンク・スバル』Trailer