『松ヶ根乱射事件』

山下敦弘監督の『松ヶ根乱射事件』を観る。監督とタイトルを伏せて、この映画を観ても山下敦弘監督の作品と分かるくらい、山下敦弘ワールドな感じ。凄くリアル(生々しい)で面白いという感情と、恐ぇぇー!(こんなん巻き込まれたら最悪。)という感情。笑かしたろ!って気を衒ったイヤらしさがないのが良い。これまた狂気と正気は紙一重の原理だ。登場人物をゴレンジャーに例えると、全員が緑、黄、桃レンジャー格で赤や青の様な二枚目的(オイシイとこを持ってく、一人勝ち的)な人物がおらず、誰もが何かしら上手くいってない。『リンダリンダリンダ』は観てないから分からないけど、これまでの作品も山本浩司さんのダメキャラに対して、もう一方の相方の方もダメ人間(話を引っ張ってくタイプじゃない。)的な感じなので、そこが現実社会には、そう赤レンジャーや青レンジャーばっかりじゃいないんだぞ的なリアルさに繋がっているのだと思う。これだって、”シュルレアリスム=超現実主義”なのかもしれない。(いや、ちゃんとした定義はよく分からないけど。それとゴレンジャーはたまたま例えに使っただけで、映画と関係ないので。)いや、面白かった。(団長!おもろいぞ!)

『松ヶ根乱射事件』http://www.matsugane.jp/

ちなみに、山下敦弘監督と言えば、くらもちふさこさん原作『天然コケッコー』が夏に公開されるそうです。
http://tenkoke.com/


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