猫目小僧

楳図かずお原作の映画『猫目小僧』を十三の第七藝術劇場まで観に行く。この映画館は初めて来たが、凄いボロくて雰囲気があるのだが、空調設備が凄いうるさい。静かなシーンでも”ボーボー”いっている。映画の方は、つっこむところがてんこ盛りあるのだが、全然許せるというか嫌悪感は感じなかかった。原作への愛情は感じられました。主人公の猫目小僧の顔がパンパンで(もちろん特殊メイクで、実際の顔のサイズよりごつくなるんだけど)身体もぽっちゃりしてて、一応小柄な人を使ってるみたいだが、全然”小僧”ではない。”猫目おっさん”な感じだ。推測するに、顔がごつくなってしまうので華奢な人を使うとマッチ棒みたいになってしまうので、顔のごつさに身体を合わしたら、あのぽっちゃりになってしまったのかな?と思う。顔がアップのシーンでは瞬きしたり眼球が動くのだがちょっと引きになると目ん玉が動かなくなり、お面みたくなるのがちょっとチープかなと。でも愛嬌はある感じだ。凄いB級な感じだが、頑張ってA級を狙ってのB級ではなくて、いやらしさのない意図的なB級さというか低予算で楽しんで作ってるような。要所に出て来るCGがへちょいが、そのへちょさも一周回って笑えてくるかな。楳図ファンでもあるこの監督の、楳図漫画要素が細かく入ってるのも分かる。とくに登場する女の子の描写が楳図かすお的美少女にちゃんとなってるし、さらに、その可愛い女の子が滑稽な壊れたアホな演技(その、ギャップも楳図かずおのギャグ漫画理論に基づいている!)をさせるのも、直接的エロではないが微妙なフェティシズムをついてるのが分かるし非常に共感できた。京子役・中村映里子さんの怪演がイイ。監督のプロフィールによるとAV界ではカリスマ監督と書いてあったので、ならではというか微妙なストライクゾーンに突き刺さる。(エロいシーンがあるってことじゃなく、可愛い女の子が滑稽なことをするってギャップの話。わかるわかる。)こだわりを凄い感じました。田口浩正さんも楳図漫画顔だし。全く恐い映画ではなく、コメディ映画。

『猫目小僧』

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