MOVIX京都で我らがクロード・ガニオン監督、宮平貴子製作・プロデュース『カラカラ』を観る。そう、『Revival Blues』でお世話になった監督だ。
『カラカラ』(2012年/日本・カナダ合作/104min)
”かねてから念願だった沖縄へやってきたカナダの元大学教授ピエールは、旅の途中で道に迷っていたところを、東京から沖縄へ移住してきたという主婦の純子と知り合う。夫婦喧嘩で夫に殴られ、家を飛び出してきた純子は、ピエールの旅に同行することになり、2人の間には次第に奇妙な友情が芽生えていく。”というロードムービー。
いや〜、良かったですね。沖縄を舞台にしてるんだけどベタな”空!海!ハイビスカス!ハイサイおじさん!”な画でなく、洗練されてて当たり前だけど構図や撮り方上手いなぁ〜という感じだし、とはいえ料理やカチャーシー的な”沖縄!”って部分や、基地問題なんかも入れつつ。沖縄行きて〜〜!!ってなったね。そして、知ってる人がちょいちょいカメオ出演してて笑ってしまった。さらに宮平貴子プロデューサーの父が経営するレインボーホテルがフル活用されてて、父は嬉しいだろね(映画にも出てはったし、観ててニヤニヤしてしまった)。そんなドタバタな前半、二人旅の中盤、そして後半と色が違ってあんなにドタバタしてたのに気付いたらス〜〜ッとここ地位静かな感じ(芭蕉布の工房シーンはドキュメンタリー風でもあり)で流石やな〜と、でエンディングの三弦(三線)とギターとベースの曲もカッチョよかったし、全体通してクロード・ガニオン監督にしか撮れない沖縄だと思った。
で、前作『KAMATAKI-窯焚-』でも思ったけど、日本を舞台にした作品で日本人(の文化)の中に入ってくる外国人役の人は、クロード・ガニオン監督自身の姿だし、監督自身が現地で見聞き体験し感じたことが凄い反映されてるのが分かるね。あと、ガニオン監督の映画って、晴れというより曇天のイメージが強いね。沖縄だろうが。物悲しさというか厳しさみたいなものがあるというか。好きな色調かな。
出演者もアイドルだったり有名な女優さんが出てるわけでもなく、こんなこと言ったら失礼かもしれないけど、大人の(恋愛でもなく友情?というか日常に疲れた2人が傷を埋め合うというか)映画というか。だからリアリティがあるのかもしれないし。商業映画!とは違い、監督が本当に描きたいことを描いた感じですね。良かった。