京都シネマで石井裕也監督『あぜ道のダンディ』を観る。
『あぜ道のダンディ』(2011年/日本/110min)
この監督の作品は過去に『川の底からこんにちは』と『君と歩こう』を観たけど、世間的には凄くウケているけど、笑いのセンス、狙い方がどうも自分には合わないようだ。何か雑というか、狙いまくってて空回りしてる感じ。(あくまで個人的に感じる趣味の問題ですよ。)
変な事が起こるのはいいとしてそれにリアリティがない。”イイ意味でこんな人おらんやろ”って感じならいいが、この人の作品は、設定的に練られてない意味で”こんな人いない”って感じがある。『君と歩こう』では主人公が17歳の高校生役なのに英語の”How are you?”が分らなかったり、『川の底からこんにちは』ではしじみ工場のおばちゃん達があんな丸見えな場所で着替えてる状況もおかしい。
今回のも、主人公のおじさん2人は50歳って設定だけど、今の50歳ってこんなおっさんじゃないし、60か70くらいの中身だ。ただ役者さんは監督の台本や演出通りにやってはるんやろし、光石研さんや田口トモロヲさんの演技やキャラで持たせてる感じ。なので光石さんの50歳のあの性格は無理矢理頑張って合わしてる感が凄いあった。病気のことも読め読めだし。
とはいえ、『川の底からこんにちは』と『君と歩こう』に比べたらまだ狙い過ぎ感は大分ましだったけど、この狙い方が石井監督の味なので、ここをなくしちゃうとこの監督の味がなくなっちゃうので、否定してるのではなく、単純に自分にはこのノリは合わないというだけの話である。面白いと感じる人は、面白く感じるんやと思う。
でも、おっさん同士の友情はイイなと思ったし、後半のとあるダンスシーンは可愛らしくて良かった。田口トモロヲさんは田口トモロヲさんの演技をされてた。あと、最近C.C.LemonのCMで気になってた吉永淳さんが出ててカワイイかった。