『生きてるものはいないのか』

石井岳龍(聰亙改め)監督『生きてるものはいないのか』を観る。

『生きてるものはいないのか』(2011年/日本/113min)


おもしろい!コレおもしろい!!
PVのようなオープニングで始まり、漠然と登場人物が徐々に突然死していくって話ししか知らずに観たので、どういうジャンルか分からず観たけど、なるほどコメディなのね。原作は元々、前田司郎さんの戯曲とのことで、セリフが滅茶苦茶練られてるね。ちゃんと面白かったし、役者さんの演技が凄い!あんま有名な人出てないし初めて観る人も多かったけど、妙にリアル(大学生っぽい)なんだけど、間やセリフの掛け合い、テンポが絶妙で、相当稽古したんちゃうか?というか舞台で何回もやってセリフが染み付いてるような演技で、イイ意味で劇団っぽい(狙ったイイヤらしさ、やり過ぎ感もなく絶妙)し。個人的に妊娠してた白石廿日さんのキャラ・演技(表情)が妙におもしろかった。あと、出てる女子がみんなカワイイ!知らん人ばっかりだけど、芸能人芸能人した感じでなくイイ意味で大学生っぽいカワイイ人らって感じ?
ハマる人はハマるし、ちょっとのズレでハマらない人はハマらないと思うけど、僕的には細い隙間にド直球のボールを通された感じだね。また、観る状況にもよるけどね。これを人から面白いで!って薦められたり世間的に流行ってたら構えてハードル上がるだろうし。個人的にそういうなんを抜きに観れたから良かったし、この映画に限らず僕は人に映画を薦めないし、逆に有名人のコメントとかあんなんまったく観ないし(コメント頼まれたら褒めるの当然やし)。ま、脱線したけど。
そしてこの映画、神戸芸術工科大学で撮ってるみたいだね。学生も参加してるみたいだし。芸工は昔受験で受けたけど、もう15〜6年前だし学内の様子は全く憶えてないけど。こういう学校とか大人数がいるシチュエーションだと低予算で人気が無さ過ぎるとしょぼくなるけど、今作は主要キャスト多いとは言え学校単位ではすくないけど、そこは全く気にならなかったね。また”生と死”を扱ってるけど、そこよりも会話劇の面白さが一番際立ってる作品だね。おもしろかった。個人的今年のベスト10入りだわ。これはDVD買いやな。

・『生きてるものはいないのか』公式サイト
・『生きてるものはいないのか』予告篇
・『生きてるものはいないのか』キャスト・インタビュー
・『生きてるものはいないのか』石井岳龍(聰亙改め)監督インタビュー