今泉力哉監督の短編映画『最低』『微温』『足手』を観る。
『最低』(2009年/日本/34min)『微温』(2007年/日本/44min)
『足手』(2010年/日本/18min)
今泉監督は、恋愛映画が好きなのかな?もちろん一般的なラブコメと違ってちょっと捻ったというか日常臭い感じの。 割と多いね。この3作どれも二股だったり三角・四角関係だったり。そういう意味では『こっぴどい猫』は集大成というか、短編を1作品につなげて総勢15名の十五角関係を築き上げてるし、この『最低』(『最低』のDVDにこの3作が入っている)は『こっぴどい猫』を観る前に観ておいた方がいいかもしれないね。
で、この3作、どれも面白かった。
今泉作品常連の芹澤興人さんがモテモテキャラなのが面白いね。そして登場人物の女子がみなカワイイ。イイ意味で素人(メイクや衣装も含め。もちろん役者さんもいるけど)っぽさのあるリアルな美人だし。個人的には『最低』の天正彩さん(検索すると、ちょっとアングラ寄りの人なのか?)かな。『足手』の青柳文子さんの女子高生も良かったけど。ツンデレキャラ(安易にツンデレって使いたくないけど)の人もおもろかったわぁ〜。
あとは、今泉作品を何本か観ると、役者さんの演技やセリフの奥に今泉監督が見えますね。山下敦弘監督の演技指導は自分で実際にそのキャラを演じてみはるみたいで、それが上手く(面白く)「リアリズムの宿」では長塚圭史さんが嫌がってました(直視しないよう薄めの横目で見てたらしいけど)し、今泉監督もこのタイプなんちゃうかなと思ったり。真意は聞いてみないと分からないけど、役者さんの演技に今泉監督自身の口調がダブるね。特にウソついてたり何かを隠して強がるシチュエーション多いけど、その辺なんかが。
そして、役者さんがいつも素人っぽいいというか、それがリアルで生々しいけど一回オールキャストがっつり演技出来る役者さんで今泉監督が撮ったらどんなんなるのか観てみたいね。(って思ってたら、特典で付いてた監督のインタビューで監督自身が同じ事を言ってはったし、客観的な分析も出来てはるんやね)そんな感じで注目の監督でありますね。『こっぴどい猫』もお薦めですよ。