京都シネマで石井裕也監督『川の底からこんにちは』を観る。
お、京都シネマのスタンプも満杯になったね。
『川の底からこんにちは』(2009年/日本)
う〜〜〜〜ん。狙い過ぎというかぁ、ちょっとあざといというかぁ。。。
全員が前のめりで演劇的と言うかぁ。抑えるとこは抑えた方がもっと笑えるような気がする。もちろんそれぞれの役者さんはそれぞれの仕事をちゃんとしてはるし、そういう演出なんだと思うけど
それぞれの人が自分勝手で全然噛み合ない感じ(役)をやろうとしてるんだけど、噛み合な過ぎてリアリティがない(こういう人や状況あるある!でもなく、実際経験なくてもありそう!でもなく、ないな〜って感じの)というかちょっと、過剰にやり過ぎな感じで白けちゃうというか。(他の人は笑ってたけど)
おばちゃんらが男の人の目を気にせず着替える場所も現実的に不自然(ちょっと狙い過ぎ)だし。
会社の同僚や、しじみ工場の従業員などで元々距離がある人同士噛み合ないのは分かるけど、家族や恋人同士でも本当に噛み合ってなくて(各々に問題が合って不器用な人らの話だけど)完全に他人同士な距離感を感じた。即興で組まされた人同士の探り探りの演技を観てるような感じ?演劇やライブ的な状況だったら面白さが生まれたりするけど、この家族や恋人の関係だと、相手のことを知らなさ過ぎ(隠し事じゃなく最低限の事など)な気がするから薄っぺらくてリアリティに欠けるのかもしれない。
佐和子も健一もダメな人過ぎて全然感情移入出来なかったので、2人が上手くいこうがいくまいかどっちゃでもエエは!的な気持ちで観ちゃったかなぁ。。。佐和子は放っといても生きてけそうだし、健一は同姓だけど僕の中にないタイプだからかもしれないしね。
でも、白装束おばちゃん軍団は良かった(牧野エミさんも完璧)し、とある”骨”のシーンも良かったかな。周りの人は笑ってたし。もうちょっと練れる気がするけど。即興で組まされた感の演技は撮り直しを重ねれば逆に微妙になってくるのかもしれないし、難しいのかもね。
個人的にダメな人の映画は大好きだけど、これは自分の趣味とはちょっとズレてるかもしれない。あくまで個人的な勝手な感想ですよ。
何だろ?この感覚。全力で前のめりにダメな人を演じてるから、やってることや状況はダメだけど、笑えるダメな感じじゃないのかもね。
全然内容が違うので比べるもんではないけど、安藤モモ子監督の『カケラ』の方が好きかも。あくまで個人的な勝手な感想ですよ。
あと、缶ビール(発泡酒)の音が凄い気になったかな。頻繁にキリン淡麗を飲むシーンがあるけど、空けたてのビールでも常に残り少ないような音(効果音)だった。内容量に対してあんな音はしない。
んん〜〜〜、何とか誉めたかったのですけど、ゴメンなさい!!
多分僕の趣味が偏ってるのだと思う。笑ってる人は凄い笑ってたので、ハマる人はハマるのだと思います。
この石井裕也監督の『ガール・スパークス』観たいけど近所のTSUTAYAにもゲオにも置いてないなぁ。