みなみ会館で石井裕也監督『君と歩こう』を観る。
そう、『川の底からこんにちは』の監督だ。
『君と歩こう』(2009年/日本/90min)
う〜〜ん、おもしろくないね。ドラマの本筋とコメディ部分が喧嘩してまとまってない(そういう作風やそういう狙いなら仕方がないけど)。勢いだけで設定が薄っぺらくて全然練られてない。主人公のノリオの役も中学生なのか高校生なのか途中まで分からんかったしキャラ設定が甘い。途中で17歳の高校生役だったって分かるけど、性格が中学生みたい(英語出来ないにしても”How are you?”くらい分かるだろ。そのくせ”遺書”は漢字で書けてたし)だし、女子高生の性格も二重人格かってくらい場面によって性格が違う。手荷物だけで駆け落ちしてアパート借りてお金がないのに、次の場面では家財道具一式そろってるし。女子高生の家が例え図書館の真隣(図書館的な建物だと多少敷地に空間があるだろうし)だったとしても、クラッカーの音が発砲音や爆発音に聞こえるわけないし。全然練れてないね。多分頭の中だけで考えた感じで実際映像にしたらリアリティがなかった(リアリティを出す魅せ方が出来なかった)んだと思う。ちょいちょいピントが合ってないシーンもあったし。
『川の底からこんにちは』もリアリティがなかったし、ノリが(個人的に)受け入れられなかったのが、これを観ながら色々考えたけど分かった気がする。多分関東の芸人のコント的なノリというか、観てて「え?それどこがおもろいの?何にもおもしろくないやん」みたいな感覚になるというか。やろうとしてることは分かるけど空回りしてる。力が入って力入ってませんから的な芝居が受け付けないのかな?この『君と歩こう』もそんなコントのノリがビッチリ詰まってて、観ててだんだんしんどくなってくるし観客も誰一人笑ってなかった(逆に笑ってたら、えっ?ってなるけどね)し。
しかし、これはこの監督が悪いのじゃなくて僕がこのノリが受け入れられないだけの話で、これはこの監督の演出、世界観なので面白いと感じる人はそれで良いと思う。それぞれの役者さんも監督の演出のもとそれぞれの仕事をちゃんとしてはるし。うん。個人の趣味的に、僕はちょっと合わないかな。
『ガール・スパークス』観たかったけど、急にアカンっぽい気がしてきたかも。。。ま、観てみないと判断出来ないけど。