なぜ、似顔絵を描かなくなったかという話(2)
しかしながら、その切る作業を道端でやろうもんなら一人5〜6時間では効きません。当時の似顔絵(下の絵なんか)は15〜20分位で仕上げてたのですが。当然ながら、現在の切り絵的なのは何度も何度も気に入るまで切っては貼り切っては貼りと納得がいくまで完成度を高めていくモノですし、似顔絵の方は下描きなしの1発勝負(失敗したらまた一からやり直しますが。)なので、綱渡り的な即興のモノでどうなるか分からないライブなモノ。仕上がり的にも感覚的にも別モノで比べるモノではないのですが。しかし、切り絵の方がより良いモノが出来ていくと、似顔絵の方の絵が非常に荒く見えてきて「こんな荒いの、よぉ人に渡せんは!!」となってきました。武藤敬司が調子悪い時に、グレート・ムタの方が調子が良かった的な感じだろうか?いや違う?マスクマンが試合中に自分のマスクを脱いで相手に投げ付け、素顔でいくと決意したような心境?マスクマンじゃないからそんな心境分かりませんね。。。話戻って、、、「おいおい、誰もそこまでの描き込みを求めてへんがな!前みたいなタッチで、ちょちょっと描いてくれたらいいんだよ。」と言う方もいるかもしれませんが、どうにもこうにも、その荒さが自分的に許せなくなり辞めました。けど、この似顔絵の方の滲みなんかも”味”っていうか、おもしろい風合いなんで嫌いではないんですけどね。共に愛着はありますから。
これは、多分ビンセント・ギャロを軽く意識してたんだと思うけど、他のサンプルの絵はとくに特定のモデルは(有名人とかのサンプルは置いてなかった。)いるわけではありませんでした。似させることよりも、絵的にイイ感じになることを追求してたので。
サンプル2(2000年 148×100mm)
2006/5/22 月曜日